BMWの歴史とクヴァント家。過去には倒産しかけ、ベンツと合弁しかけた時代もあった

BMW

今日ではドイツ車メーカーの中でも屈指の利益率を誇っているBMWですが、実は過去に倒産しかけ、当時のダイムラー・ベンツと合弁しかけた過去も有ります。こんな危機的状況で手お差し伸べたのが、現オーナー一族であるクヴァント家です。

正直、個人的にはダイムラー・ベンツとBMWの合弁企業が製作した車を見てみたい気持ちも有りますが、今日のBMWの躍進を見ていると、合弁せずに独自路線を貫いた方が正解だったんだと思います。

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BMWの歴史の始まりと4輪車製造までの流れ

1916年航空機エンジンメーカー、バイエリッシェ・フルークツォイク・ヴェルケ株式会社(BFW AG)とし誕生。

翌年、現在のBMWへと改称しました。その当時は航空機エンジンメーカーであり、世界的に見ても名機である、IIIaを開発しました。当時無名のメーカーでありながら、陸軍調達局がエンジン性能に驚き、多数のエンジンを発注したのは有名な話です。

所が、時代は第一次世界大戦の真っただ中。さらにドイツが敗戦したことにより、ドイツは5年間航空機及び、航空機用エンジンの製造が出来なくなってしまいました。

唯一の製品であった航空機エンジンが作れなくなったことにより、会社は最初のピンチを迎えます。

ですが、さすがBMW。技術者は会社を離れず、何と2輪車を設計し、BMW最初の2輪車であるR32を開発します。

1928年にはアイゼナハ車両製作所を買収し、オースチン・7のライセンス生産権を引き継ぎ、ディクシー”DA1”の生産を開始しました。これが1BMWの4輪車としては初めての物になります。後に、BMW3/15DA21と改名され販売されました。

さらに1933年には、自社開発4輪車、BMW303型を開発します。

BMW303 出典:https://en.wikipedia.org/wiki/BMW_303

今見てもかっこいいデザインだと思います。ちなみにこの時代からフロントグリルに鎮座している、キドニーグリルですが、デザイン優先ではなく、空力を考慮し、この形状に行きついたようです。それが令和の時代の今日でも、引き継がれているのは、歴史も感じますし、何だか感慨深いものが有りますね。

さらに1941年までにBMW315、319、327、328が発売されました。

その後第二次世界大戦が勃発。ドイツは敗戦国となったため、BMWも戦時中の、航空機の生産などを理由に3年間の操業停止に追いこまれます。

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BMWが倒産しかけた過去

生産規制が敷かれていた中では農機具などの生産で経営をどうにか続けていたBMW。1948年には規制が緩和され、戦前に生産されていた2輪車であるR23の後継となるR24の生産を再開します。さらに1951年には501/502を開発し、戦後初の4輪車生産を開始しました。

BMW 501 502

今見ても素晴らしいデザインセンスだと個人的には思いますし、こんな車が現代走っていたら、かなりかっこいいと思います。

この501/502の生産でBMWの完全復活かと思われましたが、生産するコストが想像以上にかさみ、売れば売るほど赤字がかさむ状況に陥ります。

とうとう1959年には倒産の危機に陥り、当時の所有者であるドイツ銀行の提言で、ダイムラー・ベンツとの合弁に舵を切り始めます。なぜダイムラー・ベンツとの合弁に舵を切ったか?実はダイムラー・ベンツも所有者が、ドイツ銀行だったから。当時のドイツ銀行はかなりのパワーを持っていたんですね。

ですが、この合弁話に待ったをかけたのが、既存の株主や労働組合でした。やはり、当時の従業員の人たちもかなりプライドを持ってBMWの車やバイクを生産していたんでしょうね。

合弁反対派の人たちはどうにか10%の株式を取得し、ドイツ銀行の、ダイムラー・ベンツとの合弁話を引き留めました。ですが経営を立て直すには大量に売れるモデルが必要となってきます。この新モデルを開発するには莫大な金額が必要になるのですが、そんな資金も有りません。もちろんドイツ銀行に融資をお願いしても無理な話です。

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BMW倒産の危機に颯爽と現れたクヴァント家

この倒産の危機に颯爽と現れたのが現オーナー一族でもあるクヴァント家のヘルベルト・クヴァント氏になります。

BMWに大型増資を提案し、売れ残った場合は私が引き受けると、男前な行動に出ます。これにより開発資金を得たBMWは1962年BMW1500を開発、販売します。

BMW1500

このBMW1500が人気を博し、経営状況は回復。後にBM1600シリーズ、1700シリーズ、2000シリーズが発売されます。このBMW1500ですが、小型で車内ではノイエクラッセとの呼称で呼ばれていたようです。

小型のキビキビ走るセダン。今日のBMWの源流もこのBMW1500にあると思います。

こうしてダイムラー・ベンツとの合弁を回避し、現代ではヨーロッパでも有数の自動車会社へと突き進んでいきます。

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最後に

今でこそBMWとメルセデスベンツで互いに切磋琢磨し、お互いを高めあっている両社ですが、過去には合弁しかけた時代もあった様です。

何がきっかけで歴史が変わるかわかりませんが、正直ベンツとBMWが一つの会社になり、生産した車を見てみたいものです。

自動車会社の歴史を知ると、より車選びが楽しくなってしまいます。

時代背景や、そのメーカーの歴史を調べながら、車選びをするのも楽しいんではないかと思います。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。下にも関連記事がS利ますので、一度下さい。

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